Precious Plastic TANGOの話

Precious Plastic TANGOの話

ここではオランダ生まれのプラスチックリサイクルプロジェクト『Precious Plastic』を

なぜ丹後エクスペリエンスでやっているのか?という話を説明したいと思います。

かなり個人的な話になりますが、興味のある方は是非読んでみてください。

海のある暮らしと海ゴミ

京都府の京都市出身のぼくは、妻の実家のある京丹後市を知り

自然の素晴らしさ、食べ物の美味しさ、人の暖かさに魅了され

「こんな場所で暮らし、子どもを育てていきたい」と思いました。

2019年、ぼくは前職の消防士を辞め、家族4人で京丹後市へ移住することを決めました。

いままで2、3時間かけて行っていた海が、今では歩いて5分で行ける。

なんてすばらしい環境なんだ。

丹後に移住してきたぼくは、海が身近な存在になったことがめちゃくちゃ嬉しくて、

2人の息子たちとしょっちゅう海へ遊びに行きます。

しかし、海が身近な存在になったからこそ気づいたことがあります。

それは、海のゴミ問題です。

いつも夏に海水浴に来ている時とは全く違う海の姿に衝撃を受けました。

「このゴミはここで捨てられたもの?」「誰が?どうやって?」

最初、何がおこっているかわからなくて、地域の人に相談にいきました。

わかったことは、年間を通じて、地域の方々が海岸清掃をしてくださっていて

夏の海水浴シーズンには特に

丹後を訪れる方のために、重点的に清掃が行われています。

丹後の夏の海は穏やかで一度浜をキレイにすると海からのゴミはあまりたどり着かなくなります。

波のたたない海を凪(なぎ)といって、そのときには沖縄のような海を望むことができます。

しかし、冬になるにつれ、気候は不安定になり、波と風が強くなります。

すると回収が追いつかないくらい、どんどんゴミがたどり着いてくるんです。

ぼくは、移住した34歳にして、この事実を知りました。

逆にいうと、大人になって、2児の父でもあるにもかかわらずこの事実を知らなかったことに情けない気持ちになりました。

海にたどり着くゴミのほとんどが、人間が生み出したもので、

僕たち大人が買ったり、売ったり、作ったり、捨てたりしたものです。

僕たちが何不自由なく快適な暮らしをしている変わりにゴミは増え、自然界に流れ、地球の環境をどんどん悪くしてしまっていたんです。

「ぼくの責任だ」と思いました。

そして、自分の息子、そして未来を生きていく子どもたちが、いつまでも安心して、楽しく海で遊べるように

何か行動をおこさないと!と思うようになりました。

海岸清掃

「行動をおこさないと!!」

そして、次に思ったのは「何をすればいいんだ!!。。。」

また、地域の方に相談しました。

すると「海岸清掃に参加してみればいい」と教えてくれました。

海岸清掃すると浜はキレイになるし、参加するごとに、

「お兄ちゃんどっからきたんや?」といろんな人が話しかけてくれました。

知り合いは増えていくし

ぼくは純粋に「海岸清掃って楽しい!」って思うようになりました。

あと、地域の方から「海で遊んだら、帰りに片手だけでいいからゴミを拾って帰ってほしい。」

「これはOne Hand Beach Cleanupって言うんだ」と教えてもらいました。

さっそくやることにしました。

その後、ぼくは地域の方と共に海岸清掃をしたり、一緒に海岸清掃を企画するようになりました。

毎年2回実施する『水晶浜大作戦』

ゴミの最終処分場の現実を知る

海岸清掃に参加するとゴミが集まればそこで終了!なのですが

主催・運営側になると、集まったゴミを最終処分場に運ばないといけないんです。

そこで、またもや気づいてしまいました。

海ゴミは、量、種類、不純物の付着などの理由から分別困難なため、

そのまま山へ埋め立てるしかない

そして近所の処分場は「もう満杯寸前。。。」

この山が満杯になったら、他の山が新たに切り崩され、ゴミの山になっていきます。

そして、これが100年、200年と続けば丹後の山がゴミだらけになってしまう。

集めたゴミをなくすには、燃やしたほうがよいのか?でも現状、丹後には海ゴミほどの大きなゴミを大量に焼却できる

処理施設はありません。そして焼却することが本当にベストな処理方法なのかも今のぼくにはまだわかりません。

このような状況が日本全国、そして世界中で起こっているはず。

海岸清掃で、浜は一時的にキレイになりますが、それは「ゴミを山に移動していること」であって

これは「海ゴミ問題の根本的な解決にはならないじゃないか?」

と考えるようになりました。同時に「でもどうしたら良いの?」また課題がでてきました。

Precious Plasticを知る

海岸清掃の打ち合わせでPrecious Plasticというプロジェクトを教えてもらいました。

そして、日本で初めてPrecious Plasticのリサイクルマシンを作って活動している人が

鹿児島県のファブラボ『ダイナミックラボ』というところいるということを聞きました。

鹿児島県ダイナミックラボへ

数カ月後、ぼくはPrecious Plasticとは、どんなものかダイナミックラボへ見にいきました。

ラボをつくったテンダーさん案内していただき、Precious Plasticに興味をもちました。

後日、テンダーさんに

「やっぱりPrecious Plasticやりたいです!(プラスチックを加工する)マシン売ってください!」と頼むと

「自分でマシン作ったらどう?もっかいラボに来て1から鉄工を学んでみたら?」と言われました。

その返答に、驚いたのと同時に、飛び上がるくらい嬉しくて、ワクワクしました。

2度目の訪問とマシン製作

1ヶ月後、ぼくは再度ダイナミックラボへ向かい、ラボに1週間滞在しながらPrecious Plasticマシンの製作を行いました。

手作業による金属切断、やすりがけ、ハンマーワーク、測定、精度出し、溶接などの加工技術を2日間学んだのち、シュレッダー組み立て!

それをテンダーさんと、『金属加工の鬼』とよばれるテンダーさんの義父さんから指導いただき、学んでいきました。

と、簡単そうに書きましたが、毎日新しいワードの連発&技術の会得に常時、頭がパンパン状態

今まで、木工すらあやしかった僕のスキルでは、鉄工というコンマ数ミリの制度を求める鉄工は失敗の連続でした。

シュレッダー(破砕機)の製作

鉄工の基礎知識・技術を学んだ後、マシンの組み立てを行いました。

初めての溶接もダイナミックラボで学びました。最初は全然わからなくて大苦戦。

それでも、期間が1週間しかないという焦りで、夜も作業を続けました。疲れで精度が落ちてまた失敗。。。

テンダーさんとお父さんを困らせに困らせたぼく。。。

そんなこんなでしたが、なんとか1週間の修行のすえ、シュレッダー(破砕機)が完成しました。

初めて、ペットボトルのキャップを破砕した時には、嬉しくて涙がでました。

1週間鉄工をし続けた手は傷だらけで、顔も鉄粉だらけで真っ黒、でも心の中は、なんともいえない達成感がありました。

『つくる・できる』ということ

ダイナミックラボのブログにも書いていただいたのですが、

ぼくは、人生のうちのたった1週間で、金属加工(基礎)を覚え、

この機械のメンテナンスを自分ですることができるよになりました。

手際がもっと良くなれば、この機械製作を請け負うこともできます。

参考記事:『金属加工未経験のヤスミさん(京丹後市・地域おこし協力隊)が1週間でプラ破砕機を作り上げる!』ダイナミックラボ

それは、大好きな海岸清掃や、環境のための活動を、仕事としてできる。かもしれないのです。
→追記:Precious Plastic修行から1年後の2022年1月ぼくはPrecious Plasticマシンで作った商品で収益を得るようになったり(まだまだ食っていけないですが)、仕事をいただけるようになってきています。

もし、お金を払って機械を注文していたら、以後壊れるたびにお金を払って誰かに直してもらうことになり、自分のできることはそんなに増えません。
→追記:Precious Plastic修行からこの1年間でマシンはシュレッダーで2回、インジェクションマシンで3回、エクストルージョンで2回不具合がでましたがどれも自分で修理、改良ができています。

何よりも、この経験によって「作ることの楽しさ、喜び」を知ることが出来ました。

身の回りのモノも「買うもの」から「つくれるかも?」「どうやってつくろうか?」と考えるようになりました。

これから

Precious Plasticマシンを作ったぼくの、これからの展望を書きます。

①Precious Plastic TANGOとしての活動を行っていく

Precious Plastic を丹後で始め、仲間を集め、海岸清掃や、プラスチックの回収、製品つくり、イベントへの出店などを行い

Precious Plasticの輪を広げていきます。

Precious Plasticmの仲間といっても、誰もがマシンを作らないといけない!というわけではなく

  • 海岸清掃に参加
  • イベントのスタッフとして参加
  • 海岸清掃でとれたPP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)を洗って集める
  • 英語のPrecious PlasticWEBサイトを翻訳して、情報を共有する
  • プラスチックや環境問題について話す場を作る
  • 活動をSNSで拡散する。シェアして広める

などなど、それもPrecious Plastic活動だと思っています。

関わり方はいろいろあります。この活動に共感してくださった方で、ともに活動をしていきたいと思われた方は連絡をください。

②海岸清掃の輪を広げる

たくさんの事を教えてくれた。そして多くの人との出会いをくれたのは、

海であり、海岸清掃です。

今後も、多くの人と海岸清掃を行い

自然環境について考えるキッカケや、地域のコミュニティを生むキッカケを作っていきたいと思います。
→追記:2021年11月に企画した『水晶浜大作戦』は第4回目にして参加人数100人に達しました。

③ファブラボをつくる

↑ダイナミックラボにある巨大レーザーカッター

師匠テンダーさんからたくさんのことを学び、経験させていただき、ぼくは

考えること、つくること、できることの大切さ、喜びを知りました。

Precious Plasticから「世の中に必要とされるもの」「何かを変えるもの」を作るため

ダイナミックラボのようなファブラボが丹後にも必要だと思いました。

今、Precious Plasticマシンを作った倉庫では鉄工、木工機材と、Precious Plasticマシンが存在し

もしかすると、これはもう「丹後のちっちゃなファブラボ」が産声をあげたのでないかと感じています。

↑普段、Precious Plasticマシンを製作、整備している、倉庫

少しづつ、貰い物の機材や、中古のもの探しながら、丹後ファブラボを少しづつパワーアップしていきたいと考えています。

もし、使ってない機材や、使っていない倉庫があるぞ!つかってくれい!という方おられましたら、八隅まで連絡ください。

ちなみに今、ほしいと思っている機材は

  • 鉄鋼道具全般(常盤、ハイトゲージ、マシンバイス、旋盤など)
  • デジタル機材(3Dプリンター、レーザーカッター、CNCなど)
  • 裁縫機材(業務用ミシン)

「あげることはできないけど、ウチにあるのを使っていいよ」という連絡もお待ちしております!

一緒に海岸清掃をしましょう!

丹後では、すでにたくさんの方々の協力で海岸清掃の輪が広がってきました

そして、これからの活動も、皆さんの協力なくしては成りたちません

この記事を読んで、海岸清掃をやってみたいと思われた方、一緒に活動をしてみたいと思われた方は

丹後エクスペリエンスWEBページ

『Beach Cleaning』をチェックしてみてください。

メッセージもしくは、facebook上のグループへアクセスしてみてください

Facebookグループ『MOYAKO』へのリンク

今後ともPrecious Plastic TANGOを宜しくお願いします!

見学、研修を希望の方

  • Precious Plasticについて知りたい
  • Precious Plasticマシンを使うところを見てみたい体験してみたい
  • 海岸清掃から、プラスチックの採集、プラスチックのリサイクルまでやってみたい方

お問い合わせフォームより連絡をお願いします。

現在のところ、料金など設定していませんが、活動に賛同してくださる方のドネーション(寄付)をお願いいたします。